2009年5月26日火曜日

デザインを科学する 人はなぜその色や形に惹かれるのか?

ポーポー・ポロダクション/ソフトバンククリエイティブ

デザインとは何だろう。

なくてもいいが、あると生活がとても豊かになるもの。ちょうど、音楽のように。時には、意識を触発して、行動のきっかけにもなりうるもの。
・・・だと思う。
この本には、そうした、デザインにより意識に生じる傾向や、ある業界には知られている経験則、よいデザインのコツや、積極的利用法までがぎゅっと詰まっている。

なお、人間がデザインに対してなぜそのように反応するかは、脳科学的に謎が多く、ほとんど解っていないらしい。そういう意味では、この本は視覚刺激の体系的なリアクション全集、といったところだ。

本書を読んでの応用先は、毎朝のネクタイの色の選択から、戦略的に顧客を消費行動に駆り立てるための技までと、本当に幅広い。

 自分の意思を効果的に伝えるには?
 よい印象で伝えるには?
 それをより長く記憶に残すには?

デザインは、
人間が何を見ているのか、ということの鏡だと言える。

コンサルタントの習慣術 頭を鍛える「仕組み」をつくれ

野口 吉昭 著/朝日新聞出版

日々自分に投資となるような、よい習慣をもちたい。
では、習慣化する、持続的にするには・・・
そういった、良い「仕組み」を作るということの有意義さと、
様々な局面ごとの実践法について、著者の経験を交えて述べている。
例えば、ごくシンプルな原理、「楽しくなければ続かない」をもとに、やっていて面白い、と思えるための方法や、それに関するモデル化と応用が紹介されている。
「百段階段」のモデルは、本当に何にでも応用可能。ここらへんの記述は、フロー理論につながっていると思う。

考える習慣 の部分では、たとえば「論理的指向の末のコンセプト思考」。これは、池上彰氏の言うところの、「帰納的に情報収集し、緩やかな演繹性でまとめる」や、系統樹的思考(アブダクション)に通じる。

耐久力を強める 仕組みとして、「自分を支えてくれる人物やチームに気づく、作ること」も、僕は明確に意識し始めた。

そしてリーダーに関する2つの力
 ・ビジョン力
 ・マネジメント力。
この2つで周囲の人々を評価してみると、ずばり的確にチームのリーダーについての問題点をより建設的で具体的な要求事項としてあげることができるようになる。時としてそれはもっとドラスティックに、適切な場を探す動機付けになるかもしれないし、近未来の自分のために刻む言葉になるかもしれない。そういう、自己改善につながる仕組みとも言えるかもしれない。


仕組みに組み込んでしまって自然に回るようにすることの重要性については、「はっぱビジネス」の横石知二さんも言っている。仕組みというものを、広範かつ遍在可能なものと考えて、取り入れるチャンスになる本。