メールは1分で返しなさい
神垣 あゆみ 著/フォレスト出版
表題どおり。
ただ、それだけでなく、実は体系的に語られることの少ない、メールにおける適切なルール、礼儀が数多くまとめられている。
その意味で、 早さにフォーカスしたタイトルは、内容の価値を やや表しきれていないかもしれない。
返信の早さ。なぜそこまで返信の早さにこだわるかといえば、受け手の身になってみれば分かる。
先輩でも、即時に返すことを徹底している人がいる。確かに、それを習慣とすると、とても評判が良くなる。信頼度も増す。
個人個人の自由度が増してくる近年のパソコン利用が、ある面では、迷信的な個人個人の”癖”の派生をも許してしまう。
例えば、会社でチームのトップを努める中年社員がいった事に びっくりしたのだけれど、 僕が客先へメールを出した際、 文章をセンテンスや内容のまとまりによって適宜改行したり、 時にはまとまりごとに小見出しをつけたり、箇条書きをしていた のを見て、
「なぜ、恣意的に改行する?そんなのはこうやって 自動折り返しにするんだよ。」 と、得意げにOUT LOOKの自動折り返し表示をして見せた。
メールの通数で言えばはるかに僕よりも書いているはずだけれど、適切なマナーは、数をこなせば身につくものではないということだ。こういう恥ずかしい事を堂々と言ってしまうと、致命的だ。
ちなみに、この本でもかなり始めのほうで、
「1行の文字数は、自動設定の折り返しに頼らず、意味の切れ目のよいところで改行しましょう」
と書かれている。当然、世間ではこれが常識。まあ、読み手になって素直に考えれば分かることだと思う。
たいていのルールや礼儀は、相手のことを考えれば大きく外れることはないけれど、基礎の基礎で評判を落とさないように、 押さえておくのがベターだと思う。