限界集落と地域再生
大野 晃 著/Kochi Shinbun
著者である大野晃先生は「限界集落」という概念を提唱した。
提唱されたのはずっと前だけれど、
近年改めて、中山間地域の問題の全体像を整理している本。
限界集落という概念・定義、実情が明快に示されていて基本を押さえるのによい本。
この本が良いと思う理由として、
「なぜ集落の消滅はいけないのか」
「なぜ過疎は問題なのか」という疑問に対して、明快に回答している点。その回答は、「多面的機能」といったあいまいな逃げ口上でなく、ずばりシンプル。
そのように問題に対する明快な理由が述べられているからこそ、次なる「流域一体としての管理、組織連携」という組織のあり方が有機的な議論として出てくる。
現場で生の情報を得る研究スタイルを大事にしている点でも、とても説得力がある。
問題とその先を見据える真っ直ぐな視点を持った、
”中長期的な新聞”という感じ。