知っているようで知らない 法則のトリセツ
水野 俊哉 著/徳間書店
人間社会において、根底に流れている定理のようなもの。それは決して、根拠のあいまいな精神論ではない、認知科学的な視点での知恵や法則。それらをふんだんに紹介している。 これは、考える際の知恵である「フレームワーク」とは別の、日々を送る「姿勢」のようなものだと思う。
◆好意の互恵性・・・ミラーニューロン。間主観性がキー。そこでは、日本に特有な「空気」感が説明できるかもしれない。
◆コミットメントと一貫性・・・これは後輩の教育に即応用できるばかりか、上司を評価する切り口にもなる。
◆役割を与えることと重要性・・・これは、下位のものへの対処のみならず、上位者についても言える。子供のような大人は、大人を演じてもらうよう手配すれば皆大人になるのだ。
◆「ジョハリの窓」・・・相手自身には見えない部分を明示してあげることの有効性
◆年をとったときの頭のよさとは ・・・つながりを見出す力
◆自分の背景にある思い込み「ビリーフ」を明らかにし、対処する
などなど。盛りだくさんで、辞書のように使えると思う。
もしかすると、聖書は、こういうルールが物語として編みこまれたものなのかもしれない。