あなたはコンピュータを理解していますか? 10年後、20年後まで必ず役立つ根っこの部分がきっちりわかる!
梅津 信幸 著/ソフトバンク クリエイティブ
コンピュータについて、身近な比喩を用いてその基本となるデータ、プログラム、それらの振る舞いについて、親しみやすく説明している。
親しみやすい、というのは、理解しやすい、とは違う。本書は親しみやすい比喩ではあるが、コンピュータの構造の理解に直結するものではない。巻末で著者も述べているとおり、本書は「好奇心の泉を掘り当てる」ということに 徹しているようだ。
コンピュータそのものの理解、というより、コンピュータと人間の関係について考える きっかけを読者に与える効果がある。たとえば、コンピュータについての以下のような記述、「偉大なるデフレ要因」「娯楽や芸術、教養と同じ、新しい価値を生み出して生き残る」などからは、本分野の只中にいる著者らしく業界の今後を憂える、暗中模索の心中が読み取れる。
アナロジーの枝葉が多すぎて、本質が見えにくくなっているというのも、理解に結びつきにくい要因の一つ。