2009年4月10日金曜日

国家の品格

藤原 正彦 著 /新潮社

内を見直すひとつのきっかけになる。日本人が無意識に抱く、欧米諸国との比較に基づいた根拠の不明確な劣等感。それって本当に確かなの? と、日本を見直すための土台を照らしてくれる。

ただし文中で著者自身が指摘を受けたと言っているとおり、半分くらいは著者の誇張や極論、と思ってフィルターを通して見るのがちょうどよいと思う。そうでないと、著者の意図と反してナショナリズムに陥る読者が増える危険性がある。

大切なのは情緒、美への感受性。これには足元を「洗われた」気がする。