学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない
福沢 諭吉 著, 檜谷 昭彦 訳/三笠書房
新訳でやはり読みやすい。国の主人たる国民は、無学を恥とし、社会の繁栄に貢献しなければならない。官のほうが禄の割がいいからと官になるのは 国費の乱用である。また民も官に対して卑屈な態度をとる必要はなく、そうなるべきではない。個人の独立とは経済的側面だけでは十分でない。 ・・・などなど。
これらはすべて開国間もない時代の いわば未開なほとんどの国民の現状を顧みて奮起を促した言葉たち。他にも、法には従え 税金は払え 恥ずかしくも、今の時代に同じ事を言われて当然の人々もいる(年金も含めて)が、そのレベルは明治以前としかいえない。(そういう低いレベルのことを指摘するための書ではない、少なくとも現代においては)独立の気概、自分自身に対する責任とは、等々、今の日本でも課題といえることを 明確に述べている。やっぱり良書だ。